コラム008:「指導内容確認表」の特徴


以前書いた「指導内容確認表」の投稿が,年度末だからか,教育課程の検討時期だからか,最近よくご覧いただいているようです。

https://www.educ.kumamoto-u.ac.jp/~futoku/ict.html

指導内容確認表

そんな中…

指導内容確認表のダウンロード数が,本日,累計10,000件を突破しました!!!

一番最初にダウンロードをスタートしたのが2019年2月15日で,国語科のみでした。約1年1か月での10,000件突破となりました。

皆さん,ご活用ありがとうございます。

ダウンロード数の変容について,ちょっとグラフ化してみました。水色の点線が合計数です。

指導内容確認表のダウンロード数累計
指導内容確認表のダウンロード数累計

ちいさくてちょっと見づらいですが…ダウンロードの多い順に(2020/3/18 14:00時点) ,

国語,生活,算数/数学,職業・家庭,社会,保健体育,音楽,図工/美術,理科,外国語,生活(例示),情報

でした。

そして,Teach U内で指導内容確認表について紹介したページアクセス数が1,000件を超えました。ありがとうございます。

今回は,「指導内容確認表」の特徴について,残しておこうと思います。

指導内容確認表の特徴

まず,指導内容確認表の特徴について。
(指導内容確認表が扱っている学習内容は,知的障害特別支援学校の各教科等についてのものです。)

▶汎用性が高い
▶教科毎に1枚で小学部ー中学部ー高等部のつながりを見ることができる
▶他学部との接続が書いてある
▶内容ごとの見出し(カテゴリー)表記がある
▶名前の欄がある
▶UDフォントを使用している
▶色合いにできるだけ統一性をもたせている
▶データのソースを公開している

▶汎用性が高い

学習指導要領に記載されている表記を変えずにそのまま使用し,それを見やすく整理しただけのものなので汎用性が高く,どちらの学校でも活用いただけます。

▶教科毎に1枚で小学部ー中学部ー高等部のつながりを見ることができる

新学習指導要領では,知的障害特別支援学校で扱う各教科等の内容について,解説が別冊になりました。それだけ,内容がより具体的に表記されています。新学習指導要領は教科毎に「目標」と「内容」が書かれていますが,「指導内容確認表」はあえて「内容」のみを記載しています。児童生徒がどのくらいの内容が既習であるかを把握し,指導計画を立てるにあたり,どんな内容を授業で扱うかを把握することを助けるのが「指導内容確認表」の目的だからです。

ですので,「指導内容確認表」は教科毎に1枚ものにまとめ,小学部ー中学部ー高等部の全学部を網羅した形にしています。ページをめくって内容のつながりを把握する必要はありません。教科毎の「目標」については,学習指導要領を各自でご参照ください。

▶他学部との接続が書いてある

特別支援学校学習指導要領解説 各教科等編 には,教科の内容によっては,小学部ー中学部ー高等部の他学部の接続について書いてあることがあります。

例えば,小学部生活科3段階の中での表記です。

コ 社会の仕組みと公共施設
 自分の地域や周辺の地理などの社会の様子,警察署や消防署などの公共施設に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(ア)日常生活に関わりのある社会の仕組みや公共施設が分かり,それらを表現すること。
(イ)日常生活に関わりのある社会の仕組みや公共施設などを知ったり,活用したりすること。
———-
「自分の地域や周辺の地理などの社会の様子」とは,身近な地域の特色ある地形,土地利用の様子,交通の様子,主な公共施設などの場所と働き,そこで働く人の様子のことなどである。3段階では,例えば,調べ学習等を通して,公共施設等の名称やその特徴を知るとともに,それらが社会で果たしている役割や働きについても関心を高めることが大切である。また,児童が必要に応じて公共施設や交通機関などを活用できる力を育てていくことも大切である。この段階では,中学部社会科「イ 公共施設と制度」,「ウ 地域の安全」,「エ 産業と生活」の内容との関連を踏まえて指導することが大切である。

文部科学省 特別支援学校学習指導要領解説 各教科等編(小学部・中学部)平成30年3月  p.68
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/02/04/1399950_4.pdf
他学部との接続が書いてある

このような表記を基に,他学部の接続について,指導内容確認表の右端や左端に明記しています。

▶内容ごとの見出し(カテゴリー)表記がある

指導内容確認表は,横軸方向に各学部の学習段階が,縦軸方向に教科の分野の表記が並んでいます。例えば国語科。

まず,〔知識及び技能〕について「(1)言葉の特徴や使い方に関する事項」では, 「言葉の働き」,「話し言葉と書き言葉」,「語彙」,「文や文章」,「言葉遣い」,「音読」 に関する内容を整理し,系統的に示した。「(2)情報の扱い方に関する事項」では, 「情報と情報との関係」,「情報の整理」の二つの系統で構成し,小学部3段階から示した。「(3)我が国の言語文化に関する事項」では,「伝統的な言語文化」,「書写」,「読書」に関する内容を整理し,系統的に示した。

文部科学省 特別支援学校学習指導要領解説 各教科等編(小学部・中学部)平成30年3月  p.78
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/02/04/1399950_4.pdf

と,内容について,カテゴリーが書かれてあります。それを見出し化して表記しました。

内容ごとの見出し(カテゴリー)表記がある

▶名前の欄がある
指導内容確認表をレールファイルで

「指導内容確認表」の右上には氏名を記入する箇所を配置しています。勤務校では,児童生徒全員分のレールファイルを用意し,そこにA3サイズに印刷した「指導内容確認表」を全教科印刷して綴じています。学級担任や教科担当が,受け持つ児童生徒の達成項目について印をつけ,実態把握や引継ぎ等に活用します。

▶UDフォントを使用している

「指導内容確認表」の全ての文字に,視認性の高いユニバーサルデザインのフォント(モリサワ製「UDデジタル教科書体」)を活用しています。UDフォントのロゴも使用しています。

UDフォントを使用している
▶色合いにできるだけ統一性をもたせている
指導内容確認表 色合いの統一

「知識及び技能」は黄色,「思考力・判断力・表現力」にはオレンジと,全教科,統一性を持ってデザインしています。

▶データのソースを公開している

公開当初はPDFのみの公開でしたが,2020年1月31日より「指導内容確認表」のExcelデータも公開しています。今後,デジタルでの様々な活用が考えられます。

以上,「指導内容確認表」の特徴でした

今後とも,ご活用いただければ幸いです。

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