コラム043:明日は我が身
Google Jamboard。みんなで同時に付箋を貼りあえるデジタルツールです。
教育現場でも広く使われていると思われるこのアプリ。私もGoogle Workspaceについて研修依頼を受けた際に紹介したアプリです。そのJamboardについて,昨日,段階的な提供の終了のお知らせがメールで届きました。
Google Jamboard の提供終了について – Jamboardヘルプ
https://support.google.com/jamboard/answer/14084927
すでにニュースにもなっていて,各種SNSでも大きく反応があったようです。
私は,それほどJamboardを普段使いしていなかったので,教材等のデータの蓄積はなかったのですが,普段使いをされている方や長い時間と労力を割いて教材を作ってこられたからすればゾッとする話だと思います。無理もありません。
ちなみに,公式では,
というサードパーティーツールとの連携機能を提供することが紹介されています。
明日は我が身で考えてみる
もし,普段使いしているツールがなくなったらどうなるか,ちょっと考えてみました。
Teach Uの場合だと,PowerPoint。私だと,普段使いしているものは,最近ではロイロノート・スクールやiPadといったところでしょうか。
もし,PowerPointがなくなったら,開くことのできなくなったPowerPointのファイルが残るだけ。Teach Uも終了。
…かと思ったら,そうでもないかもなと思うわけです。
「学校現場にいる知的障害のある児童生徒に,デジタル教材を使った学びを届けたい」というプロジェクト達成に向け,PowerPoint教材の作り手としてこれまでアウトプットしてきたことで,Web発信やPC操作の知識やスキル,使用者目線で教材を考えて情報量の調整をし作りあげる力,SNSを通じて情報発信するスキル,試行錯誤で教材を作り上げた時の達成感,一人ではなく協働で行うメリットの実感,などなど,特定のツールがなくなったとしても,意外と残るものはあるな,という感覚になりました。
なくなったら,またつくればいい。だって,つくれる自信があるから。そんな感じです。
いつの間にか,資質や能力が身についているのかなと思います。情報活用能力なんか,まさにそうです。
だから,アウトプットが大事だなと思うわけです。
慣れないうちはパフォーマンスはぐっと落ちると思いますが,ゼロになるわけではない。
普段の何かがなくなった時が,真価が問われる時なのかもしれません。
子どもたちにも,こういった力は身に付けてあげたいです。そのためには自信をつけることが必要で,自信をつけるには「自分でやった」という実践の蓄積がいるのかなと思います。
そして,ある程度,今あるものはいずれなくなるもの,と思っておく心がけも大切かもしれません。
「○○があったらできるのに」と現状を嘆くのは最初は無理もないですが,どう嘆いても「ないものはない」ので,「今ある△△を使えばできるかも」と現状を受け入れて前向きにチャレンジしていく姿を目指したいし,そんな子たちを育てたいなとぼんやり思います。
ちなみに自分はこういうピンチの時は「これにも何か意味があるのかも」と,ちょっと立ち止まって俯瞰するようにしています。
今ある環境がいつ変わるかわかりません。絶対変わらない,と思いこまずに「これもいつか変わるかも」とどこか俯瞰しながら,今打ち込むことに向き合って粛々とやっていこう,と思った出来事でした。