コラム044:「特別支援教育×生成AI」のサイトを2つ紹介


こちらに参加してきました。

昨年度に比べ,生成AIについての実践発表が多く報告されていた印象でした。

その中で2つ,生成AIを使った面白い取組に出会ったので,ご紹介します(開発された方の承諾を得ています)。

特別支援学校教員のためのアシストAI

https://sites.google.com/view/hktai/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

1つ目は兵庫の黒田一之先生が開発されたサイトです。特別支援学校の教員が授業を作る際に生成AIが相談役となって,授業づくりのサポートをしてくれます。知的障害特別支援学校の学習指導要領(小学部3段階,中学部2段階,高等部2段階)ごとに,相談役の生成AIがいるようなイメージです。実は,こちらの生成AIは,開発者の黒田先生から相談を受け,Teach Uでも紹介している「指導内容確認表」の情報を提供し,予め読み込ませてあります。生成AIの返す情報の精度向上に役立っているそうです。とても面白い取組です。

いくつかの教科の生成AIが公開されています

尚,こちらはPoeというシステムを活用されており,利用の際にはGoogleかAppleのIDでのログイン,またはメールアドレス等による登録が必要です。

授業・教材研究を支援する情報プラットフォーム 学校DX化でわくわくをサポート

2つ目は,熊本大学教育学部特別支援教育の本吉大介先生の本吉研究室が提供する情報プラットフォームのサイトです。

こちらのサイトには,特別支援教育に携わる教員が,授業を作る際に生成AIが相談役となって授業づくりや各種計画づくり,障害種別による支援策の提案等,様々な情報の提供をするコンテンツがあります。AIチャットボットごとに,様々なキャラクター設定があり,活用イメージが浮かびやすくなっています。活用方法については解説動画を視聴できます。こちらは,Difyというシステムを活用されており,ログインなしで生成AIを活用できます。

AIチャットボットのキャラクターの一部

生成AIだけでなく,授業や教材のヒントになる情報など,コンテンツ量が充実しています。Teach Uについても,こちらこちらで紹介してくださっていました。

生成AIが返してきた情報を手掛かりに,支援者の発想が促されて,適切な支援や授業等へと結びついていくといいなと思いました。

ご紹介した2つのサイト,おすすめです。

※追記 2024/9/14 日本特殊教育学会第62回大会

記録として,以下,残しておきます。

2017年の愛知大会(名古屋国際会議場)は参加者として。
2018年の大阪大会(大阪国際会議場)は,ポスター発表1本。
2019年の広島大会(広島大学)は,自主シンポジウムの話題提供者1本+ポスター発表1本。
2020年の福岡大会(WEB開催)は,自主シンポジウムの話題提供者2本+ポスター発表1本。
2021年のWEB大会は,自主シンポジウムの話題提供者1本+口頭発表1本。
2022年の記念大会(つくば国際会議場)は,自主シンポジウムの話題提供者1本+ポスター発表1本。
2023年のハイブリッド大会(横浜国立大学)は,自主シンポジウムの話題提供者1本+ポスター発表1本(サブのポスター発表2本)。

そして2024年の第62回大会(福岡国際会議場)は対面で,自主シンポジウムの指定討論者2本でした。

会場にお越しいただいた皆様,ありがとうございました。

★自主シンポジウム5-3
特別支援学校におけるプログラミング教育を創る 2024
―知的障害児の論理的思考を育むための5つのポイントに基づくモデル実践の開発(1)―

★自主シンポジウム6-11
知的障害児の未来社会を切り拓く情報活用能力の育成

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