コラム042:初めての基調講演を終えて


もう1か月以上たってしまいましたが,6月17日に千葉県の麗澤大学で行われた日本言語政策学会第25回大会で基調講演をしてきました。日本言語政策学会のホームページで当日の様子がアップされていたのでシェアします。

日本言語政策学会HPより http://jalp.jp/wp/

「リアルな空間やバーチャルな空間で様々な人々が,Teach Uという発信の場でつながっているのが面白い」と,大会委員の方がTeach Uに興味を示してくださったそうで,その場を作っている私の話を聞いてみたい,という理由だったようです。学会の基調講演は初めての経験だったので,何を求められているのかのイメージ作りから,大会委員の方との事前の対話を通して固めていきましたが,私にとっては新たな視点を得る,とてもいい経験になりました。

『今こそ,集合知』で広がったバーチャルとリアルの世界~教材配信サイトTeach Uの取組~

講演の内容ですが,このような演題でした。

特別支援教育って,実際に体験を通して五感で感じることを大切にするので,どちらかというとリアルな世界でリアルな経験を重視してきた教育だと思っています。そこに,バーチャルの世界を取り入れてみたらどうなったか,みたいな話をしました。今回の講演で求められたのが,特別支援教育というより,バーチャルとリアルの空間についての知見だったようなので。でも,特別支援教育について知ってほしい気持ちもあるので,特別支援教育でどんな授業が行われているのか,という説明を最初にしました。話していると皆さんの反応が良くて,ついつい長話になる悪い癖が出て,結局用意していたスライドをすべて消化することはできませんでしたが…。

特別支援教育におけるバーチャル空間での不思議さを感じたのは,新型コロナウイルス感染予防措置による臨時休校が明けて,一番最初の始業式をオンラインで行った時でした。その時の不思議さは,以前こちらのコラムで書きました。

バーチャル,オンラインでつながる空間について,Teach Uのコミュニティの話や,執筆者と一度も会わずにバーチャル空間を駆使して脳内交流をしながら作り上げた2冊の書籍の話,一昨年度使っていたoVice(メタバース)の話,オンラインならではの失敗談などなど,お話ししました。

講演が終わった後,パネルディスカッションに参加しました。

リアルの空間での講演の中で,バーチャルな空間を体験していただきたくて,Googleフォームを使って感想や質問を集めながら,それを即時に画面に表示してフロアで共有するという仕組みをその場で即席で作らせてもらいました。細かいところは改善していく必要はあるでしょうが,「こんな方法がある」というイメージが大会委員の方にできたようでした。

基調講演とパネルディスカッション後,会場では話が盛り上がる集団がなかなか会場から出られない状況で,大会委員の方が「こんな状況は珍しい」とおっしゃっていました。日本言語政策学会では,基調講演者が特別支援教育関係の方が初めてだったとことで,参加者の方に受け入れられるかかなり不安でした。でも,参加者がそれぞれで盛り上がっている様子を見て,思わずほっとしました。

今回の経験を通して得た一番の収穫

この日本言語政策学会,とてもアットホームな居心地のいい学会でした。

会場にはたくさんの学生がいて,引率で参加していた大学の先生と楽しそうに話しています。入口には,様々な国の国旗が飾ってあり,外国人の方も多く参加されていました。日本語教育界隈の方,政策界隈の方,社会言語学界隈の方などなどなど…。

当初は,「特別支援教育関係の私が,日本言語政策学会という専門外で何を話せばいいんだろう」と思っていたのですが,多様な参加者がいる学会だから,私も特別支援教育界隈という,多様性の一部として自然に受け入れられた感覚があって,そこが心地よさを生んでいたように思います。

私は特別支援学校の教員だから,と壁を作っていたのは私の方だったと気づかせてくださった学会でもありました。

外国語を話す自信がないから,言語系の会に参加するのはなかなか気が引けていたのですが,多様性を受け入れる集団の中では,「外国語に自信のない一人」という位置づけで参加すればいいという気づきもいただきました。

参加されました皆様,そして貴重な機会をくださいました日本言語政策学会の大会委員の皆様,ありがとうございました。

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投稿者プロフィール

後藤匡敬
後藤匡敬
GOTOU, Masataka
熊本大学教育学部附属特別支援学校 教諭
熊本大学大学院教育学研究科教職実践開発専攻 特別支援教育実践高度化コース 非常勤講師(2020年度~)

★「Teach U」管理者
★モリサワUDフォント・エバンジェリスト
ロイロ認定ティーチャー
★科研費(奨励研究)2018,2019,2021,2023年度採択 研究代表者
★デジタル庁「good digital award 2022」教育部門優秀賞受賞

#特別支援教育#ICT#ものづくり
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