コラム021:集合知のすごみ


これを書いているのは2020年12月31日。2020年は今日で最後です。

振り返ると,新型コロナウィルスへの対応に振り回された1年でした。

といっても,緊急事態宣言は2月末でしたから,実質,対応に追われたのは10ヵ月ほどです。

その時その時で,臨機応変,全力対応でしたから,あまり記憶がないというか,長かったけど,あっという間だったように感じます。

新型コロナウィルスとの1年弱

コロナ禍では,これまで誰もが経験していない状況が連続して起こり,様々な対応を迫られました。

臨時休校中に全国的に盛り上がった「学びを止めない」動きも,その一つでした。

オンライン会議システムである「Zoom」が4月いっぱい無料,という情報をゲットしてから,それまで何もできていなかった反動さから,Zoomにチャレンジし,少しずつノウハウを蓄積していきました。

SNSも大いに役立ちました。全国で共通の悩みを抱えているグループに入り,情報のインプットとアウトプットを繰り返しました。SNSに情報を終結させ,そこから必要なものを取り出し,活用レベルに落とし込んでいきました。

Teach Uの取組は,元々オンラインを想定したものではありませんでしたが,Zoomの画面共有機能を体験する中で,「普段授業で活用しているPowerPointが臨時休校中のオンライン授業で活用できそう」という実感と結びつき,SNSを中心にTeach Uの存在を発信させていただきました。

お陰様で,全国の様々な先生方とオンラインでつながることができ,Teach Uをたくさんの方に知っていただくこととなりました。

ご縁をいただき,書籍にも掲載していただきました。

明治図書さんのこの書籍では,コロナ禍での学校のリアルを書いたコラムも一緒に紹介してくださいました。

臨時休校中,Teach Uには,全国の先生方から「問い合わせフォーム」を介したご連絡が増えました。その後も,ちょくちょくいただきます。

集合知のすごみ

その問い合わせの中に,田渕恵美子先生がおられました。

田渕先生はTeach UをFacebookのグループ経由で知ったそうです。田渕先生は,Teach Uのこの教材を知って,目の前の子どもたちに合った教材を思いついたそうです。

田渕先生曰く,Teach Uには

  • 時短できる
  • パーツやプレゼン教材を見ることでアイデアがわく
  • 加工して、児童の実態に合わせてカスタマイズできる

という良さがあると,評価していただきました。すごくうれしいことでした。

田渕先生とは,実はこちらでご一緒させていただきました。Teach Uのオンラインイベントです。

実は…先にオンラインイベントの開催が決まっていて,Teach Uを他の教材とうまくミックスして活用されている田渕先生の実践を伺いたいと思い,直接出演のオファーをさせていただいた経緯があります。

2020/09/26 (土) オンラインイベント「プログラミング教育×特別支援教育 Café Vol.5  「特別支援教育のための教材Webサイト」の活用 ~Teach U×ダッシュニンの特別支援教材室~」の中の一幕より

このオンラインイベントは,見逃し配信を含め,170人ぐらいの方にご参加いただきました。ありがとうございました。

オンラインイベントのことについては,[特別支援学校教員の何でもブログ]さんが文字起こしをしてくださっています。

実践報告を伺い,田渕先生の実践で凄みを改めて感じました。Teach Uだけでなく,他のサイトのコンテンツも使って,目の前の子どもたちに合わせる,というご実践でした。引き出しをたくさんもっておられ,「集合知」活用のモデルのような印象でした。「元々あるものを活用し,うまくミックスして目の前の子たちに合わせる」という姿は,自分も見習わなくてはと思いましたし,コンテンツで溢れる時代,これからの時代にさらに求められる力でもあるように思いました。コーディネート力,というか。

このオンラインイベント用にひらめいた教材が一つあり,イベント終了後,その教材を公開しました。

すると,この「02017[国語]ちがう文字はどれかな(ひらがな編)」を基に,田渕先生が他の教材とうまくミックスして,「カタカナ編」を作ってくださいました。

02021jaWhichLetterIsNotKana02
02021[国語]ちがう文字はどれかな(カタカナ編)のスライドより。田渕先生がMicrosoft社のコンテンツを活用して教材作成されています。イラストは後藤によるもの。

02021[国語]ちがう文字はどれかな(カタカナ編)は,こちらのMicrosoftのコンテンツを活用されています。

特別支援教育でのPowerPoint 活用 — Microsoft アクセシビリティより
https://www.microsoft.com/ja-jp/enable/ppt/default.aspx

特別支援教育でのPowerPoint 活用 — Microsoft アクセシビリティ
https://www.microsoft.com/ja-jp/enable/ppt/default.aspx

こちらは特別支援教育界ではよく知られたMicrosoft社の有名なコンテンツでして,「出典元のウェブサイトを明示した上で,非営利であれば部分転載は可能」という確認が取れましたので,今回公開しております。こちらは田渕先生がつないでくださったご縁でした。

ちなみに,空やツバメのイラストは私が描きました。

自分の作った教材をどなたかがアレンジしてくださり,新しいものが生み出される…なんだかうれしく,なんだか不思議な感覚です。

アウトプットで鍛える

田渕先生をはじめ,今年度は本当にたくさんの方々とご縁をいただくことができました。
改めて,皆様に感謝申し上げます。

集合知の凄みを感じた一年でした。

そして,「発信は大事」と都度都度噛みしめた一年だったように思います。

コロナ禍による「臨機応変な対応」と,取り組んできたことをまとめて「アウトプット」するという一連の営みをひたすら繰り返した一年でした。

なかなかの大変さはありましたが,今の自分をつくりあげている実感があります。

これにて,今年最後の締めとしたいと思います。

最後にご案内です

①熊本大学教育学部附属特別支援学校のオンライン研究発表会,申込開始しています

kenpatsu2020-02-02

②2021年1月の熊大情報研で実践報告します。

https://www.kokuchpro.com/event/2c7b117529b5ccd25ae7a2e4a987487d/

よろしかったら,どうぞ。2021年も,いろいろな形でアウトプットを続けてまいります。

Follow me!


コラム021:集合知のすごみ” に対して1件のコメントがあります。

コメントは受け付けていません。