コラム040:好評発売中の2冊の書籍「特別支援教育 1人1台端末活用実践ガイド」をちょっと深掘り


明治図書より先日発売になりました書籍「特別支援教育 1人1台端末活用実践ガイド」(自立活動他編)と(各教科中心編)。明治図書オンラインで発売されてから早1ヵ月が経ちました。編著者として初めてかかわらせていただいた本作,これまでもTeach Uでは以下のように記事にしてきました。

今回は,書籍の内容について,これまでよりもう少し踏み込んで触れたいと思います。

シーズとニーズ

今回の書籍は,赤い表紙の「自立活動他編」青い表紙の「各教科中心編」の2冊シリーズです。いずれも2章構成になっています。

第1章 指導・支援に生かせるICT機能~シーズ編~
第2章 ICTで効果があがる指導・支援アイデア~ニーズ編~

第1章のシーズ編(アプリ活用)では,ハードウェアやソフトウェア(アプリ)がもつ独自の機能などを1シーズにつき1ページで紹介しています。

自立活動他編(Amazon.co.jp)より引用
https://www.amazon.co.jp/dp/4184392253

第2章のニーズ編(授業展開)では,実際に執筆者が実践したICT活用の4展開を1ニーズにつき2ページで紹介しています。4コマの写真や図で表現してあり,活用の展開が分かりやすいです。関連するURLなども広く載せています。

ICT活用は,このシーズニーズマッチングが実は大切と思っています。

教育現場で働く方々は,子どもたちと直接触れ合っているため,「こういったことがしたい」というニーズはもっていますし,つかみやすいです。ただ,それをどう実現すればいいのか,どの部分にICTを活用できるのか,活用イメージがなかなか浮かばない,といった方もいるのではないでしょうか。その結果,ICT活用が不自然な形になり,デジタルでなくても従来の方法で十分!と言われてしまう,なんてことも。

対して,ICT機器を販売する側の企業の方やICT活用をサポートする立場の方は,ICT機器にどういった機能があるかはわかっていても,実際の教育現場で子どもたちに直接接するわけではないため,それが実際の授業等でどう活用されるかつかみづらい,ということがあるのではないでしょうか。教育現場のニーズを捉えづらいのも無理はありません。

そのシーズとニーズをこれまでどのようにつないできたかというと,ICTに興味があったり,ICTが好きな現場の実践家の先生などが間に入ってつないできたんだと思います。

シーズとニーズのマッチング事例を全国のつながりから生まれた書籍

そこで今回の書籍では,GIGAスクール構想の推進以前から教育現場におけるICTをうまく活用してきた実践家が知恵を集結!それぞれがもっている一人一台端末時代に活用できそうな実践やアイデアを掘りおこしました。シーズとニーズをうまくマッチングさせ,バランスよくICTを活用した事例を,「自立活動他編」「各教科中心編」というカテゴライズで2冊合計でシーズ30件(15件×2),ニーズ100件(50件×2),集約しました。

執筆したメンバーは以下の通りです。実はFacebook Messengerのグループでのつながりが,今回の執筆メンバーの共通点です。関連するサイトなど,リンク(★)を貼っておきますのでぜひぜひご覧ください。

水内 豊和 (編著)帝京大学文学部心理学科 ★Mizuuchi-Lab.(note)
後藤 匡敬 (編著)熊本大学教育学部附属特別支援学校/Teach U~特別支援教育のためのプレゼン教材サイト~★サイト管理者
海老沢 穣 (著)一般社団法人SOZO.Perspective★/東京都立特別支援学校外部専門家
加藤 章芳 (著)北海道教育庁 十勝教育局
齋藤 大地 (著)宇都宮大学共同教育学部
関口 あさか (著)埼玉県立本庄特別支援学校/★アトリエふにぽイラストレーター/★ためカモ学びサイト
東森 清仁 (著)神奈川県横浜市立仏向小学校
菱 真衣 (著)東京都立青峰学園
樋井 一宏(著)大阪府立西浦支援学校/★「ダッシュニンの特別支援教材室」管理人
藤田 武士 (著)茨城県立協和特別支援学校
山崎 智仁 (著)富山大学教育学部附属特別支援学校 ★特別支援教育new normal standard
和久田 高之 (著)筑波大学附属桐ヶ丘特別支援学校 元神奈川県立相模原中央支援学校

おかげさまで,明治図書オンラインの売上ランキング(過去30日総計)において,中学校向け書籍の部門で,「自立活動他編」が第1位,「各教科中心編」が第2位になりました。総合ランキングでも2022年10月21日時点では第5位,第6位となっています。全国の専門書の置かれた大きな書店でも並ぶようになりました。引き続き,どうぞよろしくお願いいたします。

執筆者が登場するオンラインイベントを定期的に開催中

2022年9月より4回シリーズで執筆者がリレー形式で登場するオンラインイベントを行っています。11月はこちら。執筆者の実践と,書籍には載せられなかったアフタートークなども聞けるかも…?こちらも,どうぞよろしくお願いします。

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