コラム007:「教科との関連表」をダウンロードできます


年度末の現在,次年度の教育課程について検討している学校も多いのではないでしょうか。

新学習指導要領の知的障害特別支援学校における指導内容については,こちらの「指導内容確認表」でまとめて,熊本大学教育学部附属特別支援学校のホームページでダウンロードできるようにしています。

今回は,特別支援学校の学習指導要領について,特に知的障害教育の各教科等についての話です。

「特別支援学校学習指導要領解説(各教科等編)」(以下,解説)より

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/02/04/1399950_4.pdf

第2節 知的障害者である児童生徒に対する教育を行う特別支援学校における指導の特徴について(解説p.26)

1 知的障害のある児童生徒の学習上の特性等

には,

知的障害のある児童生徒の学習上の特性としては,学習によって得た知識や技能が断片的になりやすく,実際の生活の場面の中で生かすことが難しいことが挙げられる。そのため,実際の生活場面に即しながら,繰り返して学習することにより,必要な知識や技能等を身に付けられるようにする継続的,段階的な指導が重要となる。児童生徒が一度身に付けた知識や技能等は,着実に実行されることが多い。また,成功経験が少ないことなどにより,主体的に活動に取り組む意欲が十分に育っていないことが多い。そのため,学習の過程では,児童生徒が頑張っているところやできたところを細かく認めたり,称賛したりすることで,児童生徒の自信や主体的に取り組む意欲を育むことが重要となる。  更に,抽象的な内容の指導よりも,実際的な生活場面の中で,具体的に思考や判断,表現できるようにする指導が効果的である。

とあります。

その後の

2 知的障害のある児童生徒の教育的対応の基本(解説p.27)

では, 知的障害のある児童生徒の学習上の特性等を踏まえた教育的対応を基本とすることが重要だとされています。

教育的対応については解説p.28に(1)から(10)まで書いてあり,その後の文章に「各教科等を合わせた指導」というものが出てきます。

3 指導の形態について (3)各教科等を合わせて指導を行う場合 (解説p.30)

には,こう書かれています。

知的障害者である児童生徒に対する教育を行う特別支援学校においては,児童生徒の学校での生活を基盤として,学習や生活の流れに即して学んでいくことが効果的であることから, 従前から,日常生活の指導,遊びの指導,生活単元学習,作業学習などとして 実践されてきており,それらは「各教科等を合わせた指導」と呼ばれている。

そして解説p.31には,

各教科等を合わせて指導を行う場合においても各教科等の目標を達成していくことになり,育成を目指す資質・能力を明確にして指導計画を立てることが重要となる。

とあります。

子どもたちにとって,教科を合わせて指導した方が高い教育効果を得やすい場合に「各教科等を合わせた指導」を行うわけですが,そのねらいは上記によると,あくまで「各教科等の目標を達成」すること,になります。各教科等を合わせること自体は,目的ではなく手段である,ということです。

「各教科等を合わせた指導」について,例えば,熊本大学教育学部附属特別支援学校の中学部の生活単元学習「マラソン大会」では,【保健体育】の他に【理科】と【数学】を合わせています。走った後に記録を表やグラフに記入してこれまでの自分の記録と比較したり,走って息があがった実感を味わった後すぐに心拍数の上昇や肺の機能について学んだりします。この場合だと,各教科を合わせて指導したことで,実際の生活場面に即しやすい学習内容になっており,子どもたちは学びを自分事として捉えやすくなっています。

このような「各教科等を合わせた指導」において,この生活単元学習は○○と△△の教科を合わせている,作業学習は◆◆と■■と●●を合わせている,というのを一目でわかるように表したのが「教科との関連表」(下図)です。合わせた教科等の指導内容のセルを太枠で示しており,この単元は 【社会】と【職業・家庭】を合わせている,というようにすぐに把握できます。平成28年度の研究成果なので下図は一つ前の学習指導要領に基づいて作成したものになるのですが,現在も熊本大学教育学部附属特別支援学校では「教科との関連表」を新学習指導要領対応版に一部変えて,カリキュラム・マネジメントのためのひとつのツールとして活用しています。

kyoka-kanren
教科との関連表(平成28年度版)

教科との関連表(平成28年度熊本大学教育学部附属特別支援学校)

https://www.educ.kumamoto-u.ac.jp/~futoku/kenkyu-data.html#kyoka-kanren

リンク先でPDF版とExcel版をダウンロードできるようになっています。

平成28年度の研究でちょっと古いのですが,各教科等を合わせた指導についてどの教科を合わせているか捉えるにはまだまだ活用できる考え方だと思っています。よろしかったらご覧ください。

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投稿者プロフィール

後藤匡敬
後藤匡敬
GOTOU, Masataka
熊本大学教育学部附属特別支援学校 教諭
熊本大学大学院教育学研究科教職実践開発専攻
 特別支援教育実践高度化コース 非常勤講師(2020年度~)

★「Teach U」管理者
★モリサワUDフォント・エバンジェリスト

★(公財)学習情報研究センター
 「2020年度学習デジタル教材コンクール」学情研賞
★(一社)日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)
 「ICT夢コンテスト2019」優良賞
★令和2年度 熊本大学教育活動表彰 グランプリ(一般表彰区分/共同受賞)
★科研費(奨励研究)2018,2019,2021年度採択 研究代表者

#特別支援教育#ICT#ものづくり
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