コラム014:臨時休校の記録(2020年度4月期)


6月から,勤務校は学校再開。感染拡大防止対策で,ソーシャルディスタンスを保つ学校生活。下校後は消毒作業の毎日です。
それでも,学校に子どもたちが「いる」のと「いない」のとでは全く違うんだと実感すること数多でした。
やっぱり,子どもあっての学校です。
国の臨時休校要請が出たのが,2020年2月27日。
それから約3か月ちょっと。学校現場にはこれまでにない様々な変革が起こっています。
勤務校も,その例に漏れません。
その経緯を記録として,Teach Uとはあまり関係ありませんが,今後のために残しておこうと思います。

前回コラムでは2019年度(2020年3月まで)について書きました。

今回は,2020年度(2020年4月期)についてです。

2020年度(2020年4月期)
※4/17⑫の表記「別便で⑧の…」は「別便で⑩の…」の間違いです。すみません↑

第1・2週①~④ 始動

オンライン化への礎(いしずえ)期であった前年度末を経て,新体制でスタートした2020年度。

年度末の3月29日に,国民的なお笑い芸人であった志村けんさんが亡くなられ,社会全体に一気に自粛ムードが加速したタイミングでした。
自分もドリフを見て育ったので,こんなにショックを受けるものか,と思うぐらい,ものすごくショックでした。

異動した旧メンバーや新メンバーとの宴もなく,例年とは全く異なる年度替わりの時期で,新体制の中,どのようにこれからしていこうか,見通しのないまま,職員みんなで頭を悩ませていた時期でした。外では満開の桜が虚しく映っていました。

校門付近に咲く桜(2020年4月2日撮影)

休校延長がGW明けに伸び,就任式・始業式・入学式のみ,細心の注意を払いながら限定的に実施。

その後はまた長い休校状態へ。

「このままでいいのか」

何もできない状態にもどかしい日々。

そこで,2月末に描いた,この発想をいよいよ本格的に広げていこうと動き始めました。

YouTuber00

学校公式YouTubeチャンネルを立ち上げる

3月は,各学部,各職員がでできることを模索していた時期でした。
プリント課題を配ったり,電話やLINEでやりとりをしたり。
役立ちそうなページをQRコード一覧にして印刷し,郵送配布物に同封したり。
子どもたちに「QRコードを読みこむ」スキルを,もっと丁寧に身に付けてあげておけばよかった…
と後悔の念を抱きながらQRコード一覧を作っていたのを思い出します。

とにかく,「あるものを使ってなんとかやってみる」という土壌は,この時広がっていたように思います。

学校公式YouTubeを立ち上げる前にTeach UのYouTubeチャンネル「Teach Uチャンネル」を練習台としてスタートさせており,そこでちょっと概念を勉強しました。

その後,学校公式YouTubeチャンネルを立ち上げるわけですが,それについては以前コラムでまとめています。

ただ,YouTube立ち上げは,オンラインによる学習提供のインフラを立ち上げるようなもので,かなりエネルギーを使いました。
YouTubeをスタートさせたこのタイミングで,業務の過集中を心配頂き,管理職がプロジェクトチームの作成を提案してくれました

「遠隔教育推進プロジェクト」(遠プロ)の始まりです。

構成メンバーは各学部から1人ずつ+自分,そして各学部主事の計7人

「オンラインだと休校中に○○できそうだな」
「公式YouTubeチャンネルって本当に必要?」
「誰が何を受け持つ?」

そんな職員それぞれの思いをまるっと巻き込みながら,懸念事項を解決して,学校全体でチームとして前に進める。

調べていくと,YouTubeには3つの公開設定があることが分かりました。そこで,それぞれの使い分けを遠プロで考えました。

勤務校のYouTube公開範囲等

Gアカウント(Googleのアカウント)を各児童生徒に付与していなかったので,[非公開]という公開範囲の動画は使えず,作る動画は,「児童生徒に関する情報が載らないもの」としました。

ただ,新年度に入って1回しか会っていない担任の先生の顔等を子どもたちに届けたかったので,そういった教員が登場する動画は[限定公開]で行うことにしました。

また,各学部のカテゴリーは設けませんでした。利用者側からはカテゴリーがあった方が確かに使いやすいとは思います。ただ,学部間の取組進度の差への懸念もありましたが,学校全体で取り組んでいきたかったので,この形にしました。

とにかく,学校全体で動き始めようという意識が大事で,そういった雰囲気ができていった時期でもありました。

第3週⑤~⑫ 変革

第2週までで準備してきたYouTubeチャンネルを本格始動。

YouTubeチャンネルに使うロゴやチャンネルアートを作成し,設定。

ftkch_logo(HP用)

通常はこういった「サイトの顔」は先に作るのですが,とにかくバタバタしていたので,YouTubeチャンネル開設後に作りました。

そして,一気にオンラインが進んだことによる職員の動揺はありました。

「YouTube」「Zoom」「iPad」「Teams」「クラウド」…

いきなりの聞きなれない横文字がどっと入ってきたので,無理もありません。なので,それらを説明するカラーのチラシを職員に配布しました。

カラーチラシの一部

そのチラシと同時に,iPadを職員に配布しました。たまたま,前年度末にiPadを多めに購入しており,校内の「児童生徒用」2種類と「教員用」を遠プロメンバーでかき集め,ギリギリで職員分に到達(年度末に買っておいてよかった。ラッキー状態,でした)。ちょうど,在宅ワークが現実味を帯びてきていた時期で,4月21日に熊本大学が遠隔授業を開始することを受けて,附属校教員にもZoomアカウントを付与されることが分かっていました(Zoomの無償期間が4月30日までだったことが,このタイミングでの付与に繋がったのかもしれません)。

iPad配布とYouTubeブランドアカウント

今後,オンラインの取組を進める,具体的にはZoomを使った朝の会や学習などを行っていくに当たり,まずは,職員がZoomに慣れる必要があります。慣れるためには,とにかく使うしかありません。

まずは,Zoomを全職員が使えるように。そんな時期でした。

そこで,配布したチラシとiPadを手元に置いた,Zoomを使った校内向け研修(遠プロZoom勉強会)を4月16日に行いました。前日から在宅ワークに入っている職員もいたので,自宅からお子さんと一緒に参加された人もいました。

2020年4月16日 遠隔教育推進プロジェクト勉強会

内容は,YouTubeへのアップの仕方,Zoomの基本操作,Teach U教材を使ったZoom画面共有の仕方教材でオンライン授業を可能にするTeach Uの教材例などなど。
Zoomでは,
音が聞こえない(オーディオマイクの許可をしていない等)」
画面に映らない(ビデオがONになっていない等)」
みんなの顔が見えない(スピーカービューのままで,ギャラリービューになっていない)」
というようなトラブルが多く見られたので,対応法をお伝えしました。

この時のオンライン研修は,後日好きなタイミングで振り返ることができるように,YouTubeに限定公開し,職員でいつでも共有できるようにしました。Zoomは,ミーティング後,その時の様子を自動的に動画ファイルにする機能(レコーディング)があります。その機能と,YouTube限定公開を組み合わせて,

職員のオンライン研修(同期型)とオンデマンド研修(非同期型)

を実現しました。これは,後々,効果を発揮する仕組みづくりにつながりました。

また,YouTubeの限定公開のURLを一覧ページにして公開する仕組みづくり(ログイン・パスワード入力),YouTubeをブランドアカウント化して,複数の職員でアップデートできる仕組みづくりも行い,持続可能なオンライン配信のシステム作りを行っていきました。学校一斉メールの配信回数を抑え,職員の配信作業の分散につながりました。実際,各ご家庭へのYouTubeチャンネルに関する学校一斉メールの配信は,「①開設の案内②ログイン情報」の2回に抑えることができました。詳しくは以前コラムでこちらに書いています↓

第4・5週⑬~⑮ 再延長

この週になると,これまでZoomのゲストで参加していた先生方が,全体を回すホスト役を買って出るケースが増えてきました。オンデマンド研修の影響や,自分がやらないとという使命感や,とにかく「まずはやってみよう」という雰囲気ができていったように思います。学部会や運営委員会などもZoomで行われるようになりました。

YouTube配信動画も徐々に増えていきます。心なしか,楽しそうに動画づくりに励む先生方が増えてきて,子どもたちに対する「やりたくてもできない」もどかしい気持ちから,「これで何かできる」という前向きな気持ちへと移っていったのかなぁと思っていました。

週末に行われたこちらのZoomの会に参加された先生方もいました(私は共同ホストとして,裏方で参加しました)。お子さんを抱えながら,最後のグループセッションで発表された先生もいて,「みんな前向きだなぁ」と感じるとともに,オンラインセミナーは,いろいろな人が学べるシステム作りの基盤としての可能性を感じました。

そんな前向きな気持ちとは裏腹に,4月16日に緊急事態宣言が全国へ拡大した影響で,世の中の状況はさらに厳しくなっていき,臨時休校期間が5月末まで再延長。在宅勤務も強化され,ほとんど出勤できない状況になってしまいました。

「オンラインが,ある」から「オンラインしか,ない」の状況へ。

以上,2020年4月の記録でした。

5月は,オンラインの積極的活用へ,さらに取組を進めていったのですが,また後日書きます。

こちらで報告させて頂きました↓

[2020/07/04追記:シリーズで書きました]

その他3回,全4回シリーズでまとめています。

コラム013:臨時休校の記録(2019年度)
コラム014:臨時休校の記録(2020年度4月期)
コラム015:臨時休校の記録(2020年度5月期)
コラム016:学校再開後のオンラインツールはどうなったか

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投稿者プロフィール

後藤匡敬
後藤匡敬
GOTOU, Masataka
熊本大学教育学部附属特別支援学校 教諭
熊本大学大学院教育学研究科教職実践開発専攻
 特別支援教育実践高度化コース 非常勤講師(2020年度)

★「Teach U」管理者
★モリサワUDフォント・エバンジェリスト

★(公財)学習情報研究センター
 「2020年度学習デジタル教材コンクール」学情研賞
★(一社)日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)
 「ICT夢コンテスト2019」優良賞
★令和2年度 熊本大学教育活動表彰 グランプリ(一般表彰区分/共同受賞)
★科研費(奨励研究)2018,2019年度採択 研究代表者

#特別支援教育#ICT#ものづくり
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